はじめに
男性、女性が互いの性差に応じた健康について理解を深め
男女が共に活躍する社会の実現を
「女性の健康週間」といっても、女性の健康だけが大切なわけではありません。
男性と女性には身体的な性差があり、性差に応じた健康課題があります。男性と女性の双方が、お互いの性差を十分に理解しあい、相手に対する思いやりを持ちながら、それぞれの健康づくりに協力して取り組んでいくことは、男女が共に活躍する社会の基盤といえます。
女性の心身の状態は、ホルモンの影響を大きく受けるため、思春期、妊娠・出産期、更年期、高齢期といった、ライフステージごとに大きく変化するという特徴があります。
特に妊娠や出産などに関しては、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)」やプレコンセプションケア※などに、男女ともに取り組んでいくことが重要です。
※妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと(WHO, 2012)
近年、女性の就業等の増加や、晩婚化・初産年齢の上昇・少子化、それらに伴う月経回数の増加などから、子宮内膜症や子宮筋腫、乳がんなどが増加しています。また今後、第二次ベビーブーマーが更年期にさしかかることによる更年期障害の増加も予測され、女性特有の健康課題がさらに増えていく傾向にあると考えられています。
また、働く女性の増加に伴い、女性の健康課題が労働損失や生産性の観点からも重要視され、企業における「健康経営」に女性の健康への取り組みが組み込まれるようになりました。 一方で、女性の非正規労働者が今後増加していくことが見込まれるため、企業だけでなく、自治体など地域での女性の健康支援に取り組んでいく必要性もますます高まっていくと考えられます。
「女性の健康週間」および、この「女性の健康週間特設Webコンテンツ」が、ご覧いただいた皆さまにとって、男性、女性が互いの性差に応じた健康について理解を深めることや、男女の性差に応じた健康づくりを職場や地域で支援する取組について知り、考えてみていただくことの機会になると幸いです。