スマート・ライフ・プロジェクト

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多様なニーズに応えて
コンビニ弁当も野菜たっぷり、おいしく減塩

株式会社ファミリーマート

スマートミール認証を取得した事業者の取組を紹介する「スマートミール探訪」。第2回は、「炙り焼 鮭幕の内弁当」「味わい御膳」の2種類のお弁当でスマートミール認証を取得した、ファミリーマート(本社/東京都港区)です。同社における食事を通じた健康づくりの取組についてお話を聞きました。

竹内学さん(ファミリーマート マーケティング本部 デリカ食品部米飯グループ 弁当担当)
長年コンビニ業界で、あらゆる顧客ニーズに応えてきた竹内学さん。現在はお弁当の担当として、商品の開発・改良に尽力しています。
コンビニエンスストアとして、食に対する健康意識の高まりをどのように受け止めていますか?
竹内さん:ファミリーマートは、社会的に高まっている健康ニーズにより一層応えていきたいと、2018年から会社全体として食を通じた健康づくりの取組をはじめました。
ただ、コンビニを利用されるお客さまのニーズは実にさまざまなので、健康を押し付けるのではなく、「選択肢の一つとして提案する」というスタンスです。「とにかくお腹いっぱい食べたい」という方もいれば、「自分へのご褒美のためにスイーツを」という方もいます。同じお客さまでも、「昨日はがっつり、今日はヘルシー」というように、求める商品が日によって変わることもあります。健康を気にされるお客さまが増えているのは確かですが、健康志向の商品だけを売ればいいというわけではないのです。
 健康志向が高いお客さまの声を探ってみると、「しっかり食べて、健康になりたい」という意見がよく聞かれます。一方では、健康をさほど気にされないお客さまや、「食べたいものを我慢したくない」というニーズもあります。そのため、当社では、商品開発のテーマを「健康・満腹・満足」としています。つまり、おいしいものをしっかりと食べながら、健康に貢献できる商品づくりを進めています。
こうした取組をたくさんの方に知ってほしい気持ちはあるものの、大げさにPRするのではなく、実は“こっそり”進めていることが多いんです。例えば、寿司につける醤油は減塩タイプに“こっそり”変えました。栄養成分表示を見れば気付くかもしれませんが、気付かなくてもいい。むしろ健康に関心の薄いお客さまが、無意識のうちに健康になっていただければという思いもあります。でも、やっぱり「ファミリーマートって、減塩なのにおいしいんだよ」と、皆さんから言ってもらえることを目指したいですね。
大豆ミートや大麦、全粒粉などを使った健康志向の商品を豊富にラインアップ。
具体的にどのような取組をしているのでしょうか?
竹内さん:商品開発の現場では、「オン」と「オフ」という考え方で取り組んでいます。
オンは健康増進に必要な栄養素等を加えていくこと、オフは糖質や脂質、食塩などを少なくすることです。
オンの商品としては、一般的な大麦よりも食物繊維が豊富な大麦を使ったおむすび、高たんぱく・低カロリーな大豆ミートを使ったお弁当、栄養価の高い全粒粉を使ったサンドイッチなどがあり、これらは他企業の先進的な知見を取り入れながら開発しました。一方、オフの取組は、先述した寿司の減塩しょうゆで、しょうゆメーカーさんとのコラボレーションによって実現しました。今後もあらゆる業界の方々と情報交換をしながら、健康に貢献する商品を開発していきたいですね。
食と健康に関する一連の取組の中で、スマートミール認証を取得したのはなぜでしょうか。
竹内さん:私たちの調査によれば、健康志向食品の市場規模は1兆4,000億円に達し、さらに成長が見込まれる有望な市場です。また、国全体で取り組んでいる健康寿命の延伸に向けて、食品に携わる企業として応えていく必要もあります。
当社では、健康な食事の取組を積極的に推進しているものの、店頭のお客さまには伝わりづらい面があります。コンビニの食品は、「カロリーが高い」「野菜が少ない」といったイメージが定着してしまっていることもあるのでしょう。そのため、わかりやすく健康食を見つけてもらうために、商品のパッケージに「健康は食事から」「大豆ミート使用」「1/3日分の野菜が摂れる」といったシールを貼るなどの工夫をしています。スマートミール認証の取得に向けたプロジェクトは2018年にスタートしたのですが、当時、スマートミール認証を取得しているコンビニエンスストアはなかったため、「コンビニエンスストア初」となることを目標に掲げました。予約注文のお弁当で取得しようとしたのは、比較的年齢層の高いお客さまのご利用が多いことなどが理由です。
約半年の開発期間を経て、「炙り焼 鮭幕の内弁当」が2018年にスマートミール認証を取得、翌年には「味わい御膳」も取得しました。目標通り、コンビニエンスストア初のスマートミール認証商品になったことや、認証の中で最高ランクの三つ星を獲得できたことはうれしいですね。なお、この2種類のお弁当は、ファミリーマートの店舗(一部地域・店舗を除く)でご注文を承っています。
スマートミール認証を取得したお弁当のセールスポイントをお聞かせください。
竹内さん:「炙り焼 鮭幕の内弁当」のコンセプトは「おいしく減塩」「野菜たっぷり」です。スマートミールは、ただ減塩すればいいというわけではなく、「ちゃんと(450以上650kcal未満)」「しっかり(650以上850kcal以下)」というカロリー基準があり、また、主食・主菜・副菜がそろうことが必要です。同商品は「しっかり」の基準に適合しています。健康というと、どうしても量を減らす考えになりがちですが、しっかりと食べて栄養バランスも良いお弁当を目指しました。
特徴は豊富な野菜です。きんぴら炒め、ほうれん草胡麻和え、蓮根梅肉和えなどで、野菜・きのこ・いも・海藻を140g以上摂れるようになっています。また、たんぱく質・脂質・炭水化物(PFC)のバランスを考慮して、肉や調味料などの量も細かく計算しています。
「炙り焼 鮭幕の内弁当」は以前からあった商品なのですが、スマートミール認証取得後は売上が約1.5倍に伸びました。売上の規模はまだまだこれからですが、健康に配慮した商品、社会的に価値のある商品は、お客さまから高く評価していただけるという手応えは感じています。
また、健康や栄養の教育やセミナーなどでスマートミール認証を受けた具体的な商品の例として紹介されることもあると聞いています。スマートミールや健康な食事を世間に認知してもらうためには、専門家の関心や商品に関する発言が欠かせないと思うので、積極的に発信していきたいです。
(写真左)「味わい御膳」 (税込850円)。⾚⿂のみりん焼、えびや野菜の天ぷら、鶏の照り焼、⼩松菜だし煮など、美しく散りばめられた全9品のおかずを、白米と茶飯を食べ分けながら楽しめます。
(写真右)「炙り焼 鮭幕の内弁当」 (税込850円)。中はジューシー、外は香ばしく炙り焼きした、おおぶりの銀鮭を中心に、煮物や鶏つくねなど8品のおかずが盛られ、食欲をそそります。
ファミリーマートの各店舗にて予約販売を行っています。(一部の店舗において価格が異なる場合、取扱の無い場合があります。)
家庭でもできる、ヘルシーメニューづくりのコツや工夫を教えてください。
竹内さん:手軽にできるのは減塩だと思います。最近は市販の減塩食材が増えているので、まずはそうした商品を活用するのが効果的です。また、日本高血圧学会のホームページでは「減塩食リスト」が公開されているので参考になると思います。
減塩による薄味が気になる場合は、「だし」のうま味で補うのがポイントです。いちから好みのだしをとってもいいですし、手軽に取り入れるには、市販のだしなら、無塩タイプ・減塩タイプを活用するとよいでしょう。「炙り焼 鮭幕の内弁当」では、低塩と美味しさを両立させるため、煮物やご飯(だしごま塩)、きんぴら炒めやひじき煮などで、だしによる味付けにこだわりました。
ボリュームを極端に控えず、満足感を得ることも大事です。糖質カット、脂質カットといったダイエット法もあるようですが、一番大事なのは栄養バランス。そのためにはたくさんの食材を使って、副菜のバリエーションを増やしたいところですが、料理や買い物にかける時間が取れない方も多いのではないでしょうか。コンビニには栄養バランスや健康面を考慮した商品も多数取り揃えていますので、ぜひご活用ください。
今後、食を通じた健康づくりの取組をどのように進めていきたいでしょうか?
竹内さん:以前は、コンビニエンスストアのお客さまといえば若い方が中心でしたが、現在はあらゆる世代、嗜好のお客さまが日常的にご利用されます。健康志向の商品は、今のところ高齢のお客さまに人気ですが、今後はライフスタイルの変化とともに、あらゆる世代に広がっていくと思います。しっかりと食べられて、栄養バランスに優れた商品を開発し、その魅力を店頭やWebサイトなどで継続的に発信していくことで、日常から皆さまの健康づくりに貢献していきたいですね。