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「戦略的仮眠室」で仕事の効率化と生産性向上を目指すネクストビートの取り組み

2013年の創業時から、社長が旗振り役となって健康経営に取り組んでいる株式会社ネクストビート。2017年には休憩スペースで仮眠を取れる環境を整えており、東京本社の移転を行った翌年には睡眠コンサルタントの指導を受け、「戦略的仮眠室」として個室も設けました。経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」にも認定されたネクストビート社の取り組みについて、担当者の上津原清子さんに詳しく伺いました。

個室に加え、フリースペースで仮眠を取ることも可能

——戦略的仮眠室を導入した経緯について教えていただけますか?

2018年に東京本社オフィスを移転することになり、これを機に健康経営に注力しようということで、労務担当者が社員に対して調査を行いました。すると、夜にぐっすり眠れないという課題が現場から上がってきたんです。

これには、当社の就業時間が10時~19時で、21時には完全退社するというルールを定めているという背景があります。人材紹介事業に携わるキャリアアドバイザーが多く在籍する弊社は、19時~21時の時間帯を求職者様の対応に充てることがどうしても多くなってしまいます。そのため夕食の時間が遅くなって、必然的に消化活動も遅くなり、夜の睡眠に影響してしまうわけです。

そこで、限られた時間の中で求められるパフォーマンスをどう発揮するか、日中の業務をより効率化するために何ができるかと模索したところ、仮眠という方法を取り入れることになりました。仮眠室設置に際しては睡眠コンサルタントのアドバイスを受けています。

——仮眠室の概要について教えていただけますか?

男女1部屋ずつの個室に加えて、9階にあるフリースペースに「ゆりかごチェアー」という仮眠用の椅子を5脚設置しています。

個室の中には簡易ベッドがあるだけで、広さとしても1人寝られる分に加えて少し余裕がある程度です。壁を防音にして静かに眠れる環境を整えており、間接照明とアロマが焚ける設備もあります。ゆりかごチェアーは、移転前のオフィスには2脚置かれていて仮眠が取れるような環境でした。すでにその頃から社長自身が健康経営に注目しており、それが戦略的仮眠室の設置にもつながっています。

オフィス移転後には「睡眠研修」を実施し、睡眠コンサルタントに睡眠に関する講義をしていただきました。

——研修を行ったことで、社員のみなさんに変化はありましたか?

それまで睡眠や仮眠が具体的にどんな効果があるのかあまり意識していなかった社員が多かったのですが、講義を受けて仮眠が仕事の効率化や生産性アップにつながるという理解が深まりました。

個室とゆりかごチェアーの写真

午後の勤務時間をより効率的に使うための「戦略的仮眠」

——戦略的仮眠室とゆりかごの利用ルールについても教えてください。

休憩時間1時間のほかに、仮眠のために30分までの休憩を取れる就業規則になっています。ただ、休憩時間中に仮眠している社員が多いですね。なお、自分の席など執務室内で仮眠を取ることはできません。

個室は予約制で、1日1回30分まで。パソコンのカレンダーツールを使って予約します。東京本社の社員数約250名に対して、仮眠室の利用者数はコロナ禍前で月間30件ほどでした。現在はリモートワークしている社員が増えたので利用者は減っています。

ゆりかごは特に予約の必要がありません。休憩時間中や直後に利用する人が多く、結構埋まっているような状況です。

——休憩時間は決まっているのでしょうか?

休憩時間は各自が自由に決められます。13時くらいに取る者が多いですが、職種やその日のスケジュールによっては15時、16時になることもあります。

始業が10時ということもあって午後の勤務時間が長くなるので、どう効率的に動くかを考えて、集中し直したり気持ちを切り替えたりするために仮眠を取っている社員が多いですね。

——戦略的仮眠室を整備した後で社員の方に変化などはみられますか?

会社全体として仮眠制度などを導入することによって、業務の効率化や生産性向上のために力を入れていることは社員の意識に反映されていると感じます。どうやって効率を上げるかという課題意識を日報に書いている社員も少なくありません。

社長自ら健康経営の旗振り役に

——仮眠室設置に至るまでに、ハードルなどはあったのでしょうか。

経営層が仮眠の効果を理解する過程では議論が少しあったようです。ただ、当社の社員は20代~30代がほとんどで、いわゆる「日本的な古い価値観」のようなものはありません。目的に対してどうすればそれを達成できるかを重視する思考が強いので、導入に関して大きなハードルはありませんでした。

社長自身が健康経営に関心をもっており、創業間もない頃から「21時完全退社」をルール化し、限られた時間の中でパフォーマンスを最大化する文化が社内には浸透しています。また、オフィス移転の際には役員にCHO(チーフヘルスオフィサー、健康管理最高責任者)を置いて戦略的仮眠室の整備も含めた健康経営の取り組みを進めていました。(※CHOの役割は現在労務部で実施)

仮眠室の話からは少しずれますが、新オフィスは生産性向上を目的とした環境整備にもこだわっており、執務室内の会議室は立ちで行う設計になっているなど、効率化を意識した設計をしています。

——仮眠制度や仮眠室の導入をこれから検討されている企業様へアドバイスはありますか?

導入の目的や背景をしっかり説明し、社員に浸透させることが大事ではないでしょうか。当社の場合も、あくまで目的は業務の効率化と生産性向上です。その意識をしっかり共有できないまま進んでしまうと何のための制度なのか理解されず、利用率も上がらないということになりかねません。より意味のある制度にするためにも、そこが大切だと思います。

まとめ

限られた時間の中で仕事を効率的に行える環境を整えることは、企業にとって重要な取り組みであると言えます。株式会社ネクストビートが導入した仮眠制度はまさに「戦略的」な取り組み。経営者が自ら旗振り役となり、働き手が仮眠を取れるしくみをつくることで、業務効率化と生産性向上を目指しています。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

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