スマート・ライフ・プロジェクト

Q1

「睡眠は大切!」と感じた経験を教えてください。

私は、大学生のときにデビューしたのですが、宿題と仕事に追われる毎日で、夜更かしが日常になっていました。すると、免疫力が下がってしまったのか、いつも風邪をひいているような状態でした。
そんなときに、母から「夜更かしが続くと風邪を引くことが多いけど、早寝早起きを心がけるようにすると、睡眠時間が短くても風邪をひきにくいものよ。試してごらん」と、言われたんです。それから早寝早起きをするようになると、風邪をひかなくなり、宿題の効率も上がりました。
よく眠れた日は、寝起きもいいし、生まれ変わったような気持ちになるくらい、身体がフワッと軽く感じます。逆に、よく眠れなかった日は、どこか体に力が入らなくて、コンサートなどでも「ここぞ!」というときに踏ん張りがきかず悔しい思いをしたことも…。
以前、海外の著名なアーティストに「良い声を保つためには?」と質問をしたら、こんな答えが返ってきたことがあります。
「Sleep, Sleep, Sleep」
つまり、良い歌のためには、良い睡眠が大切なんです。

Q2

心地よい眠りのために工夫していることを教えてください。

ズバリ…早起きをすることです! 早起きをすると、夜は適度に疲れて眠たくなり、ちゃんと早い時間に寝つけます。
以前は、音楽制作に熱中しすぎて徹夜をしたり、コンサートの興奮が冷めなくて眠れなくなってしまったり…。だからといって、次の日に遅くまで寝ていると、その夜はもっと眠れなくなってしまうんです。なので、最近は、どんなに夜遅くに寝ても、できるだけ同じ時間に起きるようにしています。
夜更かしをしていると家族から、「夜12時を過ぎるとカボチャになるわよ」と、よく言われます。シンデレラになるために、夜12時までには寝ることを意識しています。

Q3

心地よい眠りのための環境づくりで工夫をしていることを教えてください。

これも母からよく言われるのですが「天使が声を治しにくる前に寝なさい」と。睡眠は、声帯にとって欠かせない癒しの時間なのです。
その反面、危険な時間帯になる可能性が高いのも、睡眠中です。なぜなら、声帯にとって一番の大敵である喉の乾燥が起きやすいからです。それを防ぐためには口を開けて寝ないことが重要なので、口を閉じることを意識しています。
あとは、本の中身を読むとのめり込んでしまうので裏表紙に書かれている「あらすじ」だけを読んだり、リラックスできる音楽をわずかに聴こえるくらいの音量でかけたり。癒される音楽を聴いていると、2、3曲目でいつの間にか眠っていることが多いですね。

Q4

朝、心地よく目覚めるための習慣を教えてください。

朝起きて、最初にやることは「ハミング」です。口を閉じて、小さい声で歌うことで、声帯の調子を確かめます。「今日の声帯様のご機嫌はいかがかしら? 元気かしら?」と、様子を伺うのが朝の日課で、調子が良ければ、その朝はとっても心地よいですね。
また、掛け布団がはだけてしまい寒さで目が覚めることがないよう、布団の代わりにもなるようなパジャマを着ています。体を冷やすのは、健康にも声にも良くないですからね。

Q5

最後に、睡眠の質を高めたいと思っている方々にメッセージをお願いします。

睡眠について悩んでいる方は多いと思います。私も歌のために質の良い睡眠がとれるよう、日々、試行錯誤しています。生活スタイル、寝具、気温、生活音など、状況はさまざまですが、この取り組みを通して少しでも眠りの質が向上することを願っています。

専門家によるアドバイス

平原さんのすばらしい歌声は、こういった、毎日の睡眠、生活習慣を気遣うことから生まれていることがよく分かりました。トップのパフォーマー、アスリート、ビジネスパーソン達は、睡眠が自分のパフォーマンスに大切であることをよく認識しています。睡眠は最強の味方ですが、敵に回すと最悪な恐ろしい相手です。

「早寝早起き」「良い歌のためには、良い睡眠が大切」が印象的です。
早寝早起きは、質の良い睡眠を引き出す重要なツールですし、その結果が「良い歌」につながるという、睡眠がもつ秘めたパワーを十分に認識、実践されていることが分かります。
乾燥による声帯への影響がリスクとのことですが、睡眠中ののどの乾燥は環境(温度湿度)と呼吸の仕方(正しい鼻呼吸)に注意することが第一です。正しい鼻呼吸は、声帯などのどや肺を保護する最高機能の加温加湿器の役割をします。また、同時に鼻呼吸は質の良い睡眠の調節にかかわると考えられています。最近、世界の睡眠研究者が注目するトピックの一つに、 正しい鼻呼吸習慣がもつさまざまな潜在能力と睡眠の関連があります。その、正しい鼻呼吸習慣を身につけるために有効と考えられているのが、「のど・舌のエクササイズ」です。

「健康づくりのための睡眠指針」のご紹介

厚生労働省では、科学的な知見に基づく「睡眠12箇条」を盛り込んだ
「健康づくりのための睡眠指針2014」を策定しています。
睡眠に関する正しい知識が身につき、
睡眠環境の見直しにも役立つ内容です。ぜひご活用ください。

健康づくりのための睡眠指針2014 (平成26年3月)