健康寿命をのばそう SMART LIFE PROJECT

健康日本21(第三次)ってどんなもの? 雲 雲

健康日本21(第三次)ってどんなもの?
令和5年5月31日、厚生労働省による、「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針」の全てが改正されました。 その変更された内容がどのようなものなのか、動画や図解でわかりやすく紹介します。

健康日本21(第三次)を推進する上での基本方針 健康日本21(第三次)を推進する上での基本方針

「健康日本21」の第三次の方針の基本について、動画でわかります。

我が国における健康づくり運動 我が国における健康づくり運動

日本では、平均寿命が延びる一方で、高齢化や生活習慣の変化により、疾患の構造が変化してきました。国民の健康づくりを社会全体で進めることの重要性が増す中で、健康づくり対策を総合的・計画的に推進するため、厚生労働省は「国民健康づくり」運動をこれまで展開してきています。
1978
S53~ 第1次国民健康づくり
健康診査の充実、
市町村保健センター等の整備、
保健師などのマンパワーの確保
S63~ 第2次国民健康づくり
~アクティブ80ヘルスプラン~
運動習慣の普及に重点をおいた対策
(運動指針の策定、健康増進施設の推進等)
1988
2000
H12~ 第3次国民健康づくり
~健康日本21~
一次予防の重視
具体的な目標設定とその評価

H15(2003) 健康増進法の施行
H19(2007) 健康日本21中間評価
H23(2011) 健康日本21最終評価
「スマート・ライフ・プロジェクト」開始

H25~ 第4次国民健康づくり
~健康日本21(第二次)~
健康寿命の延伸・健康格差の縮小を目標
生活習慣に加え社会環境の改善を目指す

H30(2018) 健康日本21(第二次)中間評価
R4(2022) 健康日本21(第二次)最終評価
2013
2024
R6~ 第5次国民健康づくり
~健康日本21(第三次)~
1978
S53~ 第1次国民健康づくり
健康診査の充実、
市町村保健センター等の整備、
保健師などのマンパワーの確保
1988
S63~ 第2次国民健康づくり
~アクティブ80ヘルスプラン~
運動習慣の普及に重点をおいた対策
(運動指針の策定、健康増進施設の推進等)
2000
H12~ 第3次国民健康づくり
~健康日本21~
一次予防の重視
具体的な目標設定とその評価

H15(2003) 健康増進法の施行
H19(2007) 健康日本21中間評価
H23(2011) 健康日本21最終評価
「スマート・ライフ・プロジェクト」開始
2013
H25~ 第4次国民健康づくり
~健康日本21(第二次)~
健康寿命の延伸・健康格差の縮小を目標
生活習慣に加え社会環境の改善を目指す

H30(2018) 健康日本21(第二次)中間評価
R4(2022) 健康日本21(第二次)最終評価
2024
R6~ 第5次国民健康づくり
~健康日本21(第三次)~
そして令和6年より、第5次国民健康づくり健康日本21 (第三次)がスタートします。 そして令和6年より、第5次国民健康づくり健康日本21 (第三次)がスタートします。

健康日本21 (第二次)の評価と課題 健康日本21 (第二次)の評価と課題

健康日本21(第二次)の評価と課題について振り返ってみましょう。
平成25年に、健康日本21 (第二次)で設定された目標について、達成状況を厚生科学審議会 地域保健健康増進栄養部会において評価したところ、男性・女性ともに「健康寿命」は着実に延びつつあることがわかりました。

健康寿命は確実に延びつつある

男性
男性の平均寿命の推移を示したグラフ
女性の平均寿命の推移を示したグラフ
女性

健康日本21(第二次)の
最終評価のまとめ

評価 A 目標値に達した B 現時点で目標値に達していないが、改善傾向にある C 変わらない D 悪化している E 評価困難※ 合計
1 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 1 1 2
2 生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底( NCD(非感染性疾患)の予防) 3 3 4 1 1 12
3 社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上 3 4 3 1 1 12
4 健康を支え、守るための社会環境の整備 2 1 2 5
5 栄養・食生活、身体活動・運動、休養、飲酒、喫煙、歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善及び社会環境の改善 1 11 5 2 3 22
全体 8 20 14 4 7 53
※新型コロナにより、保健所による調査ができず、直近のデータがない等

悪化した項目

  • メタボリックシンドロームの該当者及び予備群の減少
  • 適正体重のこどもの増加
  • 睡眠による休養を十分とれていない者の割合の減少
  • 生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少
    (一日当たりの純アルコール摂取量が男性40g、女性20g以上の者)
悪化した項目
こうしたことを踏まえると、下記のような課題があります。

検討すべき課題

  • 自治体が健康づくり施策を効果的に進めるための方策
  • データを利活用してより効果的に住民の行動変容を促すための方策
  • 社会環境整備等を通じ、健康に関心が薄い者を含めた健康づくり施策を更に進めていくための方策
  • 性差や年齢等も加味した健康づくりの方策
  • 新型コロナなど新興感染症の感染拡大による生活習慣の変化等を踏まえた健康づくり など
検討すべき課題

健康日本21(第三次)の全体像 健康日本21(第三次)の全体像

こうしたことを踏まえ、健康日本21(第三次)は、個人と社会環境の両面から、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を目指す基本方針のもとに、人生 100 年時代を迎え、社会が多様化する中で、各人の健康課題も多様化しており、「誰一人取り残さない健康づくり」を推進します。
また、健康寿命は着実に延伸してきましたが、一部の指標が悪化しているなど、さらに生活習慣の改善を含め、個人の行動と健康状態の改善を促す必要があります。
このため、「より実効性をもつ取組の推進」に重点を置いていきます。
「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現 「全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現

健康日本21(第三次)
のポイント

新たな視点 新たな視点

「誰一人取り残さない健康づくり」や「より実効性をもつ取組の推進」に取り組むため、以下の新しい視点を取り入れています。

01

女性の健康については、これまで目だしされておらず、性差に着目した取組が少ない

女性の健康については、これまで目だしされておらず、性差に着目した取組が少ない
右 下
女性の健康を明記
「女性の健康」を新規に項目立て、女性の健康週間についても明記
骨粗鬆症検診受診率を新たに目標に設定

02

健康に関心の薄い者など幅広い世代に対して、生活習慣を改めることができるようなアプローチが必要

健康に関心の薄い者など幅広い世代に対して、生活習慣を改めることができるようなアプローチが必要
右 下
自然に健康になれる環境づくり
健康に関心の薄い人を含め、本人が無理なく健康な行動をとれるような環境づくりを推進

03

行政だけでなく、多様な主体を巻き込んだ健康づくりの取組をさらに進める必要

行政だけでなく、多様な主体を巻き込んだ健康づくりの取組をさらに進める必要
右 下
他計画や施策との連携も
含む目標設定
健康経営、産業保健、食環境イニシアチブに関する目標を追加、自治体での取組との連携を図る

04

目標や施策の概要については記載があるが、具体的にどのように現場で取組を行えばよいかが示されていない

目標や施策の概要については記載があるが、具体的にどのように現場で取組を行えばよいかが示されていない
右 下
アクションプランの提示
自治体による周知広報や保健指導など介入を行う際の留意すべき事項や好事例集を各分野で作成、周知(栄養・食生活、身体活動・運動、睡眠、喫煙など)

05

PHRなどICTを利活用する取組は一定程度進めてきたが、さらなる推進が必要

PHRなどICTを利活用する取組は一定程度進めてきたが、さらなる推進が必要
右 下
個人の健康情報の見える化・利活用について記載を具体化
ウェアラブル端末やアプリの利活用、自治体と民間事業者(アプリ業者など)間での連携による健康づくりについて明記

健康日本21(第三次)の基本的な方向と領域・目標の概要

「健康寿命の延伸・健康格差の縮小」という大きな目標に向け、「個人」の行動と健康状態の改善、同時に「社会」環境の質の向上を目指し、「ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり」にもとり組んでいきます。
健康寿命の延伸・健康格差の縮小
健康寿命の延伸・健康格差の縮小  健康寿命、健康格差
個人の行動と健康状態の改善
生活習慣の改善 栄養・食生活 適正体重を維持している者、肥満傾向児、バランスの良い食事、野菜・果物・食塩の摂取量
身体活動・運動 歩数、運動習慣者、こどもの運動・スポーツ
休養・睡眠 休養が取れている者、睡眠時間、週労働時間
飲酒 ⽣活習慣病のリスクを⾼める量を飲酒している者、20歳未満の飲酒
喫煙 喫煙率、20歳未満の喫煙、妊婦の喫煙
歯・口腔の健康 歯周病、よく噛んで食べることができる者、歯科検診受診率
生活習慣病(NCDs)の
発症予防/重症化予防
がん 年齢調整罹患率・死亡率、がん検診受診率
循環器病 年齢調整死亡率、高血圧、脂質高値、メタボ該当者・予備群、特定検診・特定保健指導
糖尿病 合併症(腎症)、治療継続者、コントロール不良者、有病者数、メタボ該当者・予備群、特定健診・特定保健指導
COPD 死亡率
生活機能の維持・向上 ロコモティブシンドローム、骨粗鬆症検診受診率、心理的苦痛を感じている者
社会環境の質の向上
社会とのつながり・こころの健康の維持及び向上 地域の人々とのつながり、社会活動、共食、メンタルヘルス対策に取り組む事業場
自然に健康になれる環境づくり 食環境イニシアチブ、歩きたくなるまちなかづくり、望まない受動喫煙
誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備 スマート・ライフ・プロジェクト、健康経営、特定給食施設、産業保健サービス
ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり
ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり こども こどもの運動・スポーツ、肥満傾向児、20歳未満の飲酒・喫煙
高齢者 低栄養傾向の高齢者、ロコモティブシンドローム、高齢者の社会活動
女性 若年女性やせ、骨粗鬆症検診受診率、女性の飲酒、妊婦の喫煙
自転車に乗る女性